授乳中にアフターピルが必要になったとき、「赤ちゃんに影響はないか」「授乳をやめる必要があるか」は切実な不安です。
授乳中でもアフターピルは服用できます。ただし、薬の成分は母乳に移行するため、服用後は一定時間、授乳を控える必要があります。
国内承認のレボノルゲストレル製剤(ノルレボ等)は、服用後24時間は授乳を避けることとされています。これは添付文書に明記された基準です。
国内未承認のウリプリスタル酢酸エステル製剤(エラワン等)は、より長い断乳期間が必要とされる場合があります。国内の公的な基準がないため、処方時に必ず確認してください。
診察・問診では「授乳中であること」を必ず伝えてください。オンライン診療でも対面でも同様です。
※最終確認日:2026年8月24日。本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断・処方に代わるものではありません。
なぜ授乳を控える必要があるのか

アフターピルの有効成分は、服用後に母乳へ移行します。そのため、赤ちゃんへの影響を避ける目的で、服用後は一定時間、授乳を控えることが案内されています。
「授乳中だから服用できない」という意味ではありません。断乳期間を守れば、授乳中でも服用できます。
薬剤別の断乳期間
| レボノルゲストレル製剤 (72時間用・ノルレボ等) |
ウリプリスタル酢酸エステル製剤 (120時間用・エラワン等) |
|
|---|---|---|
| 国内承認 | あり | 緊急避妊薬として国内未承認 |
| 授乳を控える期間 | 24時間 添付文書に明記 |
より長期間が必要とされる場合がある 国内の公的基準なし。処方時に要確認 |
| 出典 | 添付文書・第一三共ヘルスケア公式 | 処方する医療機関の案内による |
ノルレボの添付文書には次のように記載されています。
「授乳しないことが望ましい(本剤の成分は乳汁中に移行するので、本剤の投与後24時間は授乳を避けるよう指導する)」
第一三共ヘルスケアの公式案内でも「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤服用後、少なくとも24時間は授乳を避けてください」とされています。
ウリプリスタル酢酸エステル製剤は国内で承認されていないため、日本の添付文書がありません。断乳期間について、レボノルゲストレル製剤より長い期間(数日程度)を案内する医療機関がありますが、公的に統一された基準はありません。処方を受ける場合は、必ずその場で断乳期間を確認してください。
断乳期間中はどうすればいいか
断乳期間中も、母乳の分泌は続きます。赤ちゃんに授乳できない間は、次の対応が一般的に案内されています。
断乳期間中に出た母乳は、赤ちゃんに与えずに搾乳して捨てます。乳腺のトラブルを防ぐ目的もあります。
事前に搾乳して保存してある母乳があれば、それを与えます。なければ粉ミルクなどで代替します。
指定された時間が経過すれば、通常どおり授乳を再開できます。
具体的な対応は、処方時に医師または薬剤師の説明に従ってください。持病や赤ちゃんの月齢によって案内が変わる場合があります。
診察では「授乳中であること」を必ず伝える
オンライン診療でも対面診療でも、問診では授乳中かどうかを確認される項目があります。伝え忘れると、断乳期間の案内を受けられないまま服用してしまう可能性があります。
伝えておくとスムーズな情報は次のとおりです。
- 現在授乳中であること(完全母乳か、混合か)
- 赤ちゃんの月齢
- 搾乳・保存した母乳のストックがあるか
- 持病、服用中の薬(授乳中に服用している薬があれば含む)
授乳中でも、できるだけ早い服用が重要です
授乳中であることを理由に、服用を先延ばしにしないでください。アフターピルは性交後できるだけ早く服用することが重要です。断乳期間はあくまで服用後の対応であり、服用そのものを遅らせる理由にはなりません。
72時間を超えている場合
日本産科婦人科学会の指針では、72時間を超えても120時間までは効果が期待できるとされています(120時間を超えた場合のエビデンスはありません)。ただし72時間を超えた使用は、国内で承認された用法・用量の範囲外です。
72時間超は薬局販売の対象外です。医師に相談できるのは、オンライン診療か対面の産婦人科になります。授乳中であることも含めて経過時間を正確に伝え、できるだけ早く相談してください。
薬局でも同じ断乳期間の案内を受けられます
2026年2月2日から、要指導医薬品の緊急避妊薬(ノルレボ・レソエル72、いずれもレボノルゲストレル1.5mg)が薬局で購入できます。薬局での購入時も、研修修了薬剤師から授乳に関する説明を受けられます。
来店時に授乳中であることを薬剤師に伝えてください。年齢制限がなく保護者の同意も不要で、6,930〜7,480円でその場で購入・服用できます。ただし性交後72時間を超えている場合は販売の対象外です。
受け取って服用したら終わり、ではありません
アフターピルは服用すれば必ず妊娠を防げるものではありません。服用から約3週間後を目安に、妊娠検査薬を使用するか医療機関を受診して、妊娠の有無を必ず確認してください。
日本産科婦人科学会の指針では、月経が予定より7日以上遅れた場合や、通常より明らかに軽い場合も妊娠検査を勧めています。出血があった=妊娠していない、とは判断できません。
生理が来ないときの詳しい目安を見る →
また第一三共ヘルスケアの案内では、服用後2時間以内に吐いてしまった場合は医療機関を受診することとされています。自己判断で追加服用せず、処方元へ連絡してください。
副作用の詳しい症状・対処法を見る →
同意のない性交だった場合・費用が心配な場合
同意のない性交や性暴力の被害にあわれた場合、緊急避妊にかかる費用が公費で負担される制度があります。費用や時間を理由にあきらめる必要はありません。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
全国共通短縮番号「#8891」(はやくワンストップ)。最寄りのセンターにつながり、医療機関の案内や費用面の相談ができます。
警察の性犯罪被害相談電話
「#8103」(ハートさん)。緊急性のない相談は「#9110」でも受け付けています。
電話で話すことがつらい場合は、多くのセンターでメールやSNSでの相談も受け付けています。
よくある質問(FAQ)
まとめ|授乳中でも服用でき、断乳期間を守れば再開できます
授乳中でもアフターピルは服用できます。成分が母乳に移行するため、服用後は一定時間、授乳を控える必要があります。
国内承認のレボノルゲストレル製剤は、服用後24時間の断乳が添付文書に明記されています。断乳期間中は搾乳して廃棄し、ストックした母乳や粉ミルクで代替してください。
120時間用のウリプリスタル酢酸エステル製剤は国内未承認で、公的な断乳基準がありません。処方時に必ず確認してください。
授乳中であることは、服用を遅らせる理由にはなりません。診察で必ず伝え、できるだけ早く服用してください。服用後は、約3週間後の妊娠確認も忘れずに行ってください。
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本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断・処方を行うものではありません。授乳中の服薬については自己判断せず、必ず医師・薬剤師にご相談ください。





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